
「〇〇成分配合の化粧水でニキビが治る!」ネット上にはこうした情報があふれ返っています。ニキビでお悩みの男性は、ワラにもすがる思いで信じたくなると思いますが、嘘です。ニキビは皮膚の病気です。化粧品は薬ではありませんから、ニキビを治す効果などないというのが真実です。ニキビ肌と化粧品の上手なつき合い方をレクチャーいたします。
目次
- ニキビが治る化粧品、の嘘
- ニキビは皮膚の病気
- 男性ホルモンとニキビ
- 20代以降の大人ニキビ
- ニキビ肌のスキンケア
この記事を書いているのは

はじめまして!メンズ美容家・りかです。ご覧いただきまして、誠にありがとうございます。わたしは幼少の頃よりお肌が弱く、20才にして「肌が80才以上に老化しきっている」と皮膚科医より告知を受けたほどです。
弱りきったお肌は炎症も絶えず10年以上もの間、ニキビにも苦しめられてきました。そんな自分を救うべく5年間で約600個、1千万円もの化粧品を試しながら克服。その結果、独自の美容論を構築するに至り2004年より美容家として活動しております。
1.ニキビが治る化粧品、の嘘
「ニキビが治る!」といった化粧品広告を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
しかし、残念ながらニキビが治る化粧品などありません。
化粧品はカラダへの有効性を確保するための法律「薬事法」が適用されますが、下記はその抜粋です。
薬事法における定義(薬事法第2条抜粋)
化粧品は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(略称:医薬品医療機器等法)という法律で概ね以下のように定義されています。
「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものを言う。
◆化粧品の効果
薬事法によると「化粧品とは人の身体を清潔にし(中略)人体に対する作用が緩和なもの」とあり、治すとは書かれていません。
また、化粧品に認められた効果効能によると、二キビに関する記述があるものは洗顔料のみとなっています。
・洗顔料
洗浄によりニキビを防ぐ
◆医薬部外品の効果
化粧品と見かけが似ているもので「医薬部外品」というものがあります(容器にその旨表示されています)。
中でも化粧品と同じ使い方をするものを「薬用化粧品」と呼ぶこともあり、認められている効果は次の通りです。
・洗顔料
皮膚を殺菌する
・化粧水や乳液など
ニキビを予防する
以上からお分かりいただける通り、ニキビが治るという化粧品の宣伝は、明らかに薬事法違反行為です。
そのような化粧品メーカーにだまさないよう、注意が必要です。
※上記にあげた効果とは、その事実がある場合に標ぼうを認められた効果であり、すべての製品におなじ効果があるとは限りません。
購入のさいは説明書等をよくご確認の上、ご自身の目的にあう製品を選ぶことが大切です。
2.ニキビは皮膚の病気

ニキビとは尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)という皮膚の病気です。
毛包(上記図①)や皮脂腺(上記図②)が炎症を起こしている状態です。
皮膚の病気を化粧品で治せるはずがありませんから、ニキビでお悩みの方は、皮膚科を受診することをおすすめ致します。
日本では2008年頃から皮膚科でのニキビ治療が進展し、色々な薬が保険適用となったそうです。
クレーターと呼ばれる凸凹したニキビ跡ができてしまうと、保険診療では治すことができません。
深刻なニキビ跡を残してしまわないためにも、早めに受診することが大切です。
3.男性ホルモンとニキビ
ニキビができる原因は下記2つだとされていますが、2つとも男性ホルモンと深い関わりがありす。
・皮脂の分泌量が多いこと
男性ホルモンの一つであるテストステロンが皮脂線を活性化させる
・毛穴が閉塞すること
男性ホルモンの影響から角質が厚くなることで毛穴の出口がふさがってしまい、毛包内(上記図①)に皮脂が詰まる
思春期にニキビが勢いよく出るのは、男性ホルモンの分泌量が一気に増えることが関係していると言われています。
4.20代以降の大人ニキビ
皮脂分泌が盛んになる思春期のニキビに対し、20代以降のニキビを大人ニキビと呼ぶことがあります。
大人ニキビの場合はストレス、喫煙、ヒゲソリ、肌乾燥など様々な要因がからみ合うため、思春期のニキビより原因が複雑だと考えられています。
それこそ、化粧品も原因の一つと成り得ます。
5.ニキビ肌のスキンケア
ここまでご覧いただき、ニキビは化粧品では治らないことが十分ご理解いただけたと思います。
それでは、スキンケアにおいて気を付けるべきことは何か?ポイントは次の通りです。
・洗顔
過剰な皮脂などを洗い流し、お肌を清潔にたもつことが一番大切です。
洗顔料は、100均等で販売されている「洗顔ネット」を使用し、よく泡立てることをおすすめ致します。
ロクに泡立てをせず肌をゴシゴシこすり洗いすると、肌のバリア機能が低下し、ニキビのできやすい状態となります。
1日2回ほど、洗顔料をよく泡立て「泡のクッション」で優しく洗いましょう。
・保湿
お肌の乾燥が原因でニキビができやすくなる、ということもあります。
お肌には本来、バリア機能というものが備わっていますが、乾燥するとその機能が低下。
外部刺激が肌内部に伝わりやすくなってしまい、炎症→毛穴の出口がせばまる→皮脂が詰まりやすくなる、という流れがあります。
また、乾燥すると肌が皮脂分泌をがんばり、詰まりやすくなるということもあります。
そのためニキビができていないのであれば保湿をすることも大切です。
(炎症部分に化粧品をぬることは避けましょう。)
最後に。皮膚科で治療をうける際に、医師にスキンケアの注意点を聞いてみることも大切です。
化粧品を取り扱っている皮膚科もありますから、相談して購入するのも一つです。
スクラブ洗顔や刺激の強い洗顔は避けたいといった方は、ぜひこちらの記事もご参照頂ければと思います。
まとめ
- ニキビは皮膚の病気
- ニキビは化粧品では治らない
- 皮膚科で治療を受けることが大切
- ストレスや喫煙、ヒゲソリ等も原因となる
- 洗顔でお肌を清潔にし、必要であれば保湿する
以上、最後までご覧いただきまして有難うございました!
ご参考になりましたら幸いです。